大学病院から、都内クリニック院長へ。
「自分の医療をつくる」決断に至ったケース
大学病院で専門性を磨きながら臨床に向き合っていた一人の先生が、次のキャリアとして選んだのは、都内クリニックの院長という道でした。
きっかけとなったのは、単なる環境の変化への希望ではありません。「自分が理想とする医療を、自らの責任でつくりたい」という、明確な志向でした。
私たちは、その思いを起点に、先生と医療機関の双方にとって長期的な価値のあるキャリアを共に設計しました。
常勤医(医員)
院長候補
大学病院の産婦人科で常勤医として勤務する中、研究と臨床の両立、長時間労働、外来枠の制約など、大学病院という環境ならではの課題を感じるようになっていました。
特に、限られた診療時間の中で多くの患者に向き合う日々を重ねるうちに、「自分が理想とする医療を、自分の責任でつくりたい」という思いが次第に明確になっていきました。
一方で、クリニックの院長というキャリアについては、外部から得られる情報が限られています。
どのような医療機関が、どのような院長候補を求めているのか。
自身の診療スタイルや価値観に合う環境はどこなのか。
その判断を、公開されている求人情報だけで見極めることは容易ではありませんでした。
初回のご相談では、求人条件を先に決めるのではなく、まず「なぜ今、キャリアを変えたいのか」「院長として、どのような医療を実現したいのか」という点から丁寧に整理しました。
診療スタイル、分娩の有無、外来診療の比重、希望するエリア、経営への関与度、年収、そして今後のライフスタイル。
一つひとつの希望を確認しながら、条件の優先順位と、将来実現したい医療のかたちを明確にしていきました。
そのうえで、保有する非公開案件の中から、志向との親和性が高い3つの医療機関をご提案しました。
3つの候補の中で、特に関心が高かったのが、都内の婦人科クリニックでした。
面談に先立ち、医療機関側の経営方針や現在の診療体制、院長候補に期待される役割、将来的な引き継ぎの構想について、可能な限り具体的に共有しました。
面談では、提示された条件だけを見るのではなく、
「どのような医療を目指しているのか」
「院長として、どこまで意思決定に関われるのか」
という、着任後の働き方に直結する部分を重点的に確認しました。
面談後には率直な所感を伺い、双方の認識をさらに深めるため、改めて医療機関との対話の機会を設定。
最終的に、現院長から新院長へ段階的に役割を移譲していく具体的なスケジュールについて双方が合意できたことが、意思決定の大きな後押しとなりました。
最終的な意思決定にあたっては、年収や着任時期だけでなく、診療範囲、経営への参画度、意思決定の権限など、着任後の役割に関わる事項まで丁寧にすり合わせました。
特に着任時期については、大学病院での責任ある立場を踏まえ、十分な引き継ぎ期間を確保するため、約6か月先の着任を設定。
医療機関側にもその意図をご理解いただき、双方が納得できる条件を整えたうえで、正式な内定承諾へと至りました。
退職に際しては、大学病院への意思の伝え方から、担当患者や業務の引き継ぎまで、円滑な移行に向けた準備をサポートしました。
新たなキャリアへの挑戦である一方、これまで築いてきた環境や人間関係への責任もある。
だからこそ、現職への配慮を大切にしながら、次のキャリアへ進むためのプロセスを丁寧に整えていきました。
着任後は、医療機関との合意に基づき、診療スタイルを段階的にご自身の理念へと近づけながら、約半年をかけて外来体制を再設計。
着任から1年を迎えた現在では、患者数は前年比1.4倍となり、診療だけでなく、医療機関全体の運営にも深く携わっています。
今回のケースで重要だったのは、「クリニック院長になりたい」という役職への志向ではなく、「自分の医療をつくりたい」という明確な意思でした。
そのため、求人条件の比較だけではなく、先生が実現したい医療と、医療機関が目指す方向性との一致を丁寧に見極めることを重視しました。
また、着任前の段階で経営への参画度や権限、現院長からの役割移譲について具体的に確認し、双方の認識を揃えたことも、着任後のスムーズなスタートにつながったと考えています。
ヘッドハンティングとは、単にポジションをご紹介することではありません。
先生が次のキャリアで何を実現したいのか。
医療機関が次のリーダーに何を託したいのか。
その双方を深く理解し、表面的な条件だけでは見えない接点を見つけること。
私たちは、その出会いを一つひとつ丁寧につくっています。
